
先生、ネイティブが「ワッタイム?」って言うの、「What time?」のtが完全に消えてません?文字にあるのに音がない…

それが今日のテーマ、リダクション(脱落)。文字にはあるのに、音としてはほぼ消える現象だよ。
「単語は知ってるはずなのに、ネイティブの英語は半分しか聞こえない」――その正体のもう半分は、リダクションです。
この記事では、リダクションの仕組みと3つの基本パターン、そしてネイティブが日常で使う省略形まで、5分で解説します。
― Let’s dive in! ―
📖 発音記号(IPA)が分からない方へ:本記事では /ə/ /wʌt taɪm/ のような発音記号を使います。発音記号(IPA)早見表 をブックマークして、分からない記号が出てきたら見返してください。一気に覚えなくてOK、出てきたものから少しずつ慣れていけば必ず読めるようになります。
📝 7時間目スタイル:本記事の発音表記はIPAがメイン。カタカナは音のあくまで参考です。本当の音はIPAから読み取ってください。
リダクションって何?

リダクションね、なんか聞いたことある!要するに「ネイティブが楽してる」ってやつでしょ?

雰囲気はだいたい合ってるけど、コン太の「だいたい」のままだとあとで詰まるよ。リダクションは 「ある音を弱く・短く・あるいは完全に消す現象」で、ちゃんとパターンがある。日本語にはほぼない感覚だよ。
たとえば「What time is it?」(今何時?)。
❌ 日本式:「ワット・タイム・イズ・イット」(一語ずつはっきり)
⭕️ ネイティブ:/wʌtaɪmɪzɪt/(最初のtが消える)
これが起きるのは、英語が「強く言うところ」と「弱く言うところ」のメリハリで成り立っているから。文の意味に直接関係しない音は、ネイティブはほぼ発音しません。
リダクションを知らないと、ネイティブの英語は「単語が半分しか聞こえない」状態になります。逆にルールを知れば、「消えてる音はこれだ」と先回りで補えるようになる。
3つの基本パターン

消える音って、ランダムなんですか?

ちゃんとパターンがある。3つだけ押さえれば、ほぼカバーできるよ。
① 破裂音の脱落(語末・子音の前)
p / b / t / d / k / g(破裂音)が語末にきて、次の単語が子音で始まると、その破裂音はほぼ聞こえません。口の構えだけして、音を出さない感覚です。
- what time /wʌt taɪm/ → /wʌtaɪm/
(カタカナ参考:ワッタイム) - good day /ɡʊd deɪ/ → /ɡʊdeɪ/
(カタカナ参考:グッデイ) - black coffee /blæk kɑːfi/ → /blækɑːfi/
(カタカナ参考:ブラコーフィー) - help please /help pliːz/ → /helpliːz/
(カタカナ参考:ヘップリーズ)
② 機能語の弱形(schwa化)
and / of / to / for / but のような意味を持たない繋ぎの単語(機能語)は、母音が /ə/(シュワ)に弱まって、ほぼ聞こえなくなります。
- and /ænd/ → /ən/ or /n/
(例:rock and roll → /rɑːkənroʊl/ ロッケンロール) - of /ʌv/ → /ə/
(例:sort of → /sɔːrtə/ ソータ) - to /tuː/ → /tə/
(例:have to → /hæftə/ ハフタ) - for /fɔːr/ → /fər/
(例:looking for → /lʊkɪŋfər/ ルッキンファ) - but /bʌt/ → /bə/
(例:but too → /bətuː/ バトゥー)
③ h脱落(him / her / them)
him / her / them のような代名詞は、文中で h が完全に消えることがほとんど。前の単語の語尾とくっついて、別物に聞こえます。
- ask him /æsk hɪm/ → /æskɪm/
(カタカナ参考:アスキム) - tell her /tel hɝː/ → /telɚ/
(カタカナ参考:テラー) - got them /ɡɑːt ðem/ → /ɡɑːɾəm/
(カタカナ参考:ガッエム)
💡 「got them → ガッエム」の中の /ɾ/ はフラッピング(tがdっぽくなる現象)です。リダクションとフラッピングはほぼ同時に起きるので、フラッピング解説記事とセットで読むのがおすすめ。
ネイティブが使う省略形(カジュアル)
リダクションが進むと、文字としてもそのまま省略形で書かれるようになります。映画・ドラマ・SNSで毎日見る形ばかり。
- want to → wanna /wɑːnə/ (I wanna go.)
- going to → gonna /ɡʌnə/ (We’re gonna win.)
- got to → gotta /ɡɑːɾə/ (You gotta try.)
- have to → hafta /hæftə/ (I hafta work.)
- kind of → kinda /kaɪndə/ (I’m kinda busy.)
- sort of → sorta /sɔːrtə/ (It’s sorta cool.)
- out of → outta /aʊɾə/ (I’m outta here.)
- let me → lemme /lemi/ (Lemme see.)
- give me → gimme /ɡɪmi/ (Gimme that.)
- don’t know → dunno /dənoʊ/ (I dunno yet.)
⚠️ 省略形はカジュアル限定。仕事のメールや初対面の人との会話では、ちゃんと want to / going to と書く・言うのが基本です。「聞き取れる」「言える」は別の話。
実例で耳を慣らす(リダクション7選)
日常会話頻度の高いリダクションを集めました。「文字 vs 実際の音」を意識して聞いてみてください。
- What time is it? /wʌtaɪmɪzɪt/
(カタカナ参考:ワッタイミズィッ) - I have to go. /aɪhæftəɡoʊ/
(カタカナ参考:アイハフタゴウ) - I’m going to do it. /aɪmɡʌnəduːɪt/
(カタカナ参考:アイムガナドゥーイッ) - Tell her I said hi. /telɚaɪsedhaɪ/
(カタカナ参考:テラーアイセッハイ) - I kind of like it. /aɪkaɪndəlaɪkɪt/
(カタカナ参考:アイカインダライキッ) - Let me see. /lemisiː/
(カタカナ参考:レミシー) - I don’t know. /aɪdənoʊ/
(カタカナ参考:アイダノウ)
実際のネイティブ発音で聞いてみよう
文字で理解しただけでは、リダクションは聞き取れるようになりません。実際にネイティブが話す音をどう聞こえるか確かめるのが一番早い。下の動画は、リダクション・リンキングがたっぷり入った日常フレーズ10個を、ネイティブ音声+解説でまとめたものです。

「あ、ここのtが消えた!」「今のtoがほぼ聞こえない!」って気づきながら何度も聞いてみてね。
まとめ
- リダクションは「ある音を弱く・短く・消す現象」
- パターンは3つ:① 破裂音の脱落 / ② 機能語の弱形 / ③ h脱落
- カジュアルでは wanna / gonna / gotta のように省略形として書かれる
- リンキングと一緒に起きるので、リンキング記事とセットで読むと理解が深まる

一気に覚えなくてOK。「あ、今のh消えた」「今のtoはタじゃなくてトゥだった」って気づくところからスタートしよう!

